女性の“当たり前”を
支援する企業へ
- 株式会社システック
- 静岡県浜松市北区新都田

INTERVIEW
ビジョン・組織づくり

社員は家族、
一人ひとりが活躍できる風土をつくる
代表取締役社長 梶村 一成(かじむら かずなり)さん
梶村代表の経営には、どのようなバックグラウンドがありますか?
2016年6月、創業者である先代より経営を受け継ぎ、代表取締役社長へ就任しました。大胆に切り拓いていくのが創業者スタイルとすれば、緻密さも大切にするのが私のスタイルでしょうか。私の経営には、若いころにカナダ・アメリカへ留学した経験も活きています。日本の十数年は先をいくような、働き方や家族のつながりを目の当たりにしました。働き方改革や女性活躍推進といったことが、将来の日本でも当たり前に起きていくだろうと予感していました。近年になってそうした流れができてきた中、システックでもより良い環境づくりを進めています。日本では、人的投資に積極的な企業が少ないですが、できる限りの時間や費用をかけていけたらと思います。
より良い環境づくりのために大切なことは何ですか?
風土にしていくことです。だからこそ「正しいことは何か?」に留意してやっています。人間は、正しいことを見続けていれば、異常なことに気付けます。5S(※)や6Sも、絶えずきれいな状態になっているから異常値が分かるのです。製造の現場では、日々細かなデータが溜まります。これをどうかみ砕いて理解できるかという、解析力を社員、一人ひとりに持ってもらいたいと思っています。
たとえば、昔は各机に1つずつ置いていたゴミ箱を、1カ所に集約したことがありました。離れたところへゴミを捨てにいくのは面倒なので、社内のゴミの量が総じて減ったのです。毎朝、ゴミ箱を空にしておくことで、その日のゴミの量も分かります。それなりの量になっている日があれば、理由を聞いて原因を確認すれば良いですよね。そのように、善い行いを風土として形成していくことが大切だと思っています。
※5S:企業における職場の維持や改善に関するスローガン。「整理、整頓、清掃、清潔、しつけ」の頭文字を取ったもの。ほかに作法や安全性(safety)などのSが加わり、6Sや7Sと呼ばれる。
組織の変革については、長いスパンで考えていらっしゃるのですね。
私の信条は、「人の成長なくして事業の成長なし(企業づくりは人づくり)」なんです。社員の成長が企業の成長になると信じてやっています。こういう意味では、企業も家族と同じです。社員には、家族や子育ての例え話をよくするんです「これはダメ」と、権限で抑え込むのはあまり良くない親子関係だよねと。「こういう背景や理由があるから、こうするのはやめようね」と伝えれば、子どもは受け入れやすくなります。背景や理由を説明して促すということは、人間にしかできないことなんです。そうした信頼性を大切にする人間関係を大切にしなければなりません。
信頼関係を築くためには、見えないところをどう見るかも大切です。社員と会話をするときは、相手のバックグラウンドを考慮することを心掛けています。一人ひとりがポテンシャルを秘めています。個人の良さをどう引き出せるかは、人づくりにおいて重要なポイントです。
社員の成長とは、具体的にどのようなことでしょうか。
社員の成長とは何かというと、自分で成功を収めながら共感者を増やせる人になるということです。中国の明時代に、陽明学者の呂新吾が書いた「呻吟語(しんぎんご)」という本があります。そこには、「第一等とは、人徳のある人である」といった主旨が書いてあるんです。数字には細かい私ですが、そこには想いもなければならないと思っています。社員一人ひとりが、人徳と実力を兼ね備えたリーダーとして成長できる場を目指したいと思います。
女性活躍推進については、どのように取り組んできたのでしょうか?
女性社員の比率は、現在のところ全体の20%弱で、これまでスタッフ職を中心に採用してきました。女性がメインのセクションから着手した方が、女性活躍推進の流れをつくりやすいのです。男性社会の色が濃いセクションに女性社員を配置すると、現場の抵抗がその社員に向いてしまうかもしれません。何かを変えるときも、社員との信頼関係が一番大切です。最近では、スタッフ職を中心につくってきた女性活躍の風土もだいぶ社内に根付きました。スタッフ職だけでなく技術職でも女性社員が育児や介護をしながら活躍できる環境が整っています。
女性活躍推進のビジョンを教えてください。
女性のみなさんに共通するのは、感覚が鋭く表現が豊かだということ。この女性らしさを大いに発揮してもらいたいです。仕事においては、今あるものを大切にしたいと思う気持ちがあり、細かい作業も得意ですよね。男性の掲げるビジョンを実行したり、継続的な取り組みを遂行したりするときには、女性の力が必要です。
一方で、結婚や出産をむかえた女性に、産休や育休、子どもの急な対応が発生することは当たり前のことです。システックは、産休も育休もウェルカムです。有休も取得するように言っています。そんな女性社員の状況を理解して支えるのが、男性社員の役目だと思っています。ゆくゆくは、女性や男性の区別もなく、社員がお互いの良いところを活かしあい成長していける風土を共につくっていきたいと考えています。
女性社員インタビュー

スムーズな職場復帰を経験して生まれた
チャレンジ精神
PLDソリューション部 溝口 祐香梨 (みぞぐち ゆかり) さん
できて間もない大学に通っていたので、大学内の就活環境が整備されておらず「先輩が入っていて大丈夫そうな会社」というイメージを優先してシステックに入社しました。当時は、やりたいこともよく分かっていませんでした。それが、2回の産休・育休から職場復帰を経たことで、働きがいを強く感じるようになりました。とくに、資格取得に意欲が湧き、秘書検定や労務管理の資格を取得しました。今では、ほかの資格にもチャレンジしてみたいと思っています。
2005年、新卒入社。受託設計開発と技術協力の2部門にまたがり営業のサポートを行う。産休・育休からの復帰後は、役員秘書も担う。
女性社員インタビュー

自分の経験を活かして、
ほかの女性社員の役に立ちたい
SL事業部 野中 美鮎(のなか みあゆ)さん
企業説明会を聞いたとき、システックは「人を大切にする企業」だと感じました。そんな環境で、社員をサポートする仕事ができたらと思い、スタッフ職で入社したんです。入社当時から子育てしながら働く先輩を見てきましたし、私も産休・育休や職場復帰を経験しています。ほかの女性社員もスムーズに仕事に戻れるような、仕組みを考えられたらと思っています。私自身の経験が、皆さんの役に立ったら嬉しいです。
2013年、新卒入社。本社に近接する新都田工場にて、営業社員のサポート業務を執り行う。並行してバックオフィスの実務を行い、工場内での総務機能も担っている。
取り組み
ほぼ100%!
女性の高い職場復帰率
制度の整備はもちろんのこと、制度を気兼ねなく使える雰囲気があります。女性社員についての職場理解が進んだ結果、女性社員の満足度は男性社員よりも高いという結果に。

スタッフミーティングで
職場の環境改善・業務改善
部門を超えたスタッフ4名で、2ヶ月に1度集まっています。バックオフィスに集まった現場の情報を共有してアイデアを出し合い、実際の改善につなげています。

女性の感性を活かした
商品開発
レトルト食品の製造を行う秋田事業所では、レトルト離乳食の商品開発に女性社員3名が加わっています。女性らしい気付きや丁寧な対応のお陰で、完成した商品はクライアントから高評価をいただきました。

小学校3年生まで使える!
時短制度
勤務時間を9:00~16:00に短縮する「時短勤務」。システックでは、子どもが小学校3年生を修了するまで使うことができます。まだまだフォローが必要な学年家庭を応援しています。

社内のスタッフが
復帰を応援
産休や育休中の社員には、社内スタッフから月に1度、全体朝礼の内容が届けられます。社内の様子も添える工夫が生まれるなど、職場復帰を応援する風土が自然と培われています。

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